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経験して分かったKindleペーパーバック:表紙と余白設定に校正刷り

Kindle出版

「いつかは出版したい」との思いをKindle出版(電子書籍)で実現できてから、これまでに5冊のKindleを出版することができました。

しかしながら、Kindle(電子書籍)を販売開始後ほどなくして、時々「書籍はないのか?出版予定は?」とのお問い合わせを頂くようになり、Kindleペーパーバックの情報も増えてきたので、Kindleペーパーバックに取り組み始めました。

ここでは、Kindleペーパーバックの表紙作成、本文の余白設定、3回の校正刷りと出版申請について説明します。

Kindleペーパーバックの表紙を作る

Kindleペーパーバックの表紙作成は、デザインを除いても意外に時間がかかりました。

Kindleペーパーバックの表紙は、以下の3つを結合したものです。

  • 表紙
  • 背表紙
  • 裏表紙

本文のPDFのページ数が分かると、以下のAmazonの「KDPヘルプトピック」ページでテンプレートを作成することができます。

Amazonへ:本のフォーマット ペーパーバックのフォーマット

下図は、印刷用の表紙計算ツールで作ったテンプレートの例です。

印刷用の表紙計算ツールで作ったテンプレートの例

印刷用の表紙計算ツールで作ったテンプレートの例

図1 印刷用の表紙計算ツールで作ったテンプレートの例

このテンプレートを使い、GIMPでデータファイル(PDF)を作成しました。

用紙を決める

表紙はカラー印刷になります。

  • 用紙は、光沢ありを選びました。

本文は、次の様にしました。

  • テキスト主体なら白黒、用紙は白(ホワイト)
  • カラー画像を使うならカラー印刷、用紙は白(ホワイト)
はかせ
はかせ

カラー印刷は、印刷代が跳ね上がりますが、技術系の本では仕方ないかと思います。

本文の余白設定

本文の余白設定について説明します。

印刷は見開きになります。

余白は、上下、左右、中央の余白(マージン)などを設定します。

  • ワードの余白設定です。

最小の余白はAmazonのWebサイトに情報がありますが、画集の様な場合はよいとしても、テキスト主体では余白が狭すぎます。

  • 最小は、周囲に6.4mmのマージン

どの程度にすればよいか、見開きでPCプリンタで試し印刷してみましたが今一つ判断できませんでした。

そこで、「調整に時間をかけるよりは、まずは現物を見よう。」ということで、「校正刷り」を頼みました。

校正刷りのため決めたことを列挙します。

  • 目次を入れる(紙の書籍では必須)
  • ページ番号:ページ下の余白の中央(目次の1ページ目から連番)
  • 余白:上下左右とも7mm、とじしろ14mm
  • フォント:MS明朝 10ポイント
  • 各章に章のタイトルページを入れる。

私が経験したエラーを列挙します。

  • 行末のエラーは、「両端揃い」を「左に揃える」で対応
  • 箇条書きの連番が自動設定になっていた場合、エラーが出ましたので修正(箇条書きの自動設定は基本的にすべてOFFにしています。)

エラー対応は、原因を調べてもなかなか分からないことが多かったため、「設定を変更して、結果OK。」であればそれでよしとしました。

校正刷りによる確認1回目

校正刷りは、おすすめです。というよりは、必ずやった方がよいと思います。

校正刷りの費用はかかりますが、印刷代と送料ですみます。

コストより「現物を見ることによるメリット」の方が大きかったです。

注文して3日ほどで「校正刷り」が届きました。

  • 校正刷りは下図の様にグレーの帯が入ります。
  • 本としての仕上がりは、カバーはありませんが、いわゆるソフトカバーのような感じで、十分満足しました。
1回目の校正刷り

1回目の校正刷り

図2 1回目の校正刷り

さて、校正刷りとはいえ、はじめてのリアル書籍を早速開いてみると、余白が狭すぎました。

ということで、再度余白設定をしてレイアウト等をやり直しました。

結果的に余白を増やすことでページ数が増えたので、背表紙にタイトルを入れました。

校正刷りと著者用コピーの違い

校正刷りは、出版(販売開始)前に、ペーパーバックの仕上がり具合を確認するためのテストい印刷のようなものです。

図2の様に、校正刷りでは、表紙にグレーの帯で「再販禁止」のラインが入っています。

ペーパーバックは、実際に紙に印刷して製本しますので、Kindle本と違い文字修飾やレイアウトの自由度は上がりますが、校正刷りで実際の仕上がり具合を確認することが必要です。

実際にペーパーバックを手に取ると、本としてのサイズ感と余白による読みやすさを直接確認することができます。

なお、著者用コピーとは、販売中の本を印刷したもので、印刷代負担で購入可能です。

ということで、再度余白調整と2回目の校正刷りに向けて再スタートです。

本文の再余白調整と2回目の校正刷り

最初の校正刷りでは、ワードの余白設定は以下としていました。

  • 余白:上下左右とも7mm、とじしろ14mm

最小余白よりは広げたのですが、実際に校正刷りで確認してみると、余白が狭くて付箋を貼ったり、ちょっと書き込みをするのも難しそうでした。

そこで、最終的に以下の余白設定で2度目の校正刷りとしました。

  • 余白:上下15mm、左右10mm(とじしろ20mm)

これでもとじしろが狭いようにも思っていたのですが、これは校正刷りで現物を実際に確認してみることにしました。

ページ数が増えましたので背表紙にタイトルを入れましたが、背表紙の幅に対して非常に小さい文字になるので、入れた方がよいものか悩ましいです。

背表紙のタイトルも2回目の校正刷りで確認します。

3回目の校正刷りと販売開始

2回目の校正刷りで、余白決定の目安もつきましたし、背表紙の小さいフォントサイズも確認できました。

3回目の校正刷りでは、とじしろ側の余白を+5mmとし、以下に決定しました。

  • 余白:上下15mm、内側15mm(とじしろ)、右10mm

余白を増やしたことで、ページが2ページ増えましたが、手直しは思っていたより簡単に終わり、レイアウトを確認して修正完了しました。

背表紙のタイトルは、なぜかプレビューでNGとなり、フォントサイズを小さめにしたり、位置の微調整をしたりして、プレビューを繰り返すことになり、意外に時間がかかりました。

表紙作成に数時間、何かにはまって堂々巡りしていたような感じです。

3回目の校正刷りと出版申請

ようやく完成したので、Amazonへの出版申請を行いました。

なお、申請と同時に3回目の校正刷りも申し込みました。

  • 背表紙のタイトルは、本の厚さに比べると小さいため無くてもよかったのですが、せっかく作ったので残しました。

申請して72時間で販売開始とはいえ、順調に出版OKとなるとは思えませんでしが、相変わらずの素早いレスポンスで、72時間またずして販売開始となりました。

表紙や背表紙のデザインについて

表紙や背表紙のデザインは、見た目には重要なのですが、私にはその力量(デザイン力とか絵心)がないので、何となくこれでよいのかと思いつつ、原稿の修正作業をしながらコツコツ仕上げていきました。

A5サイズの余白設定(最終版)

参考までに、A5サイズの余白設定例を紹介します。

余白設定は、一度決まればその後は変更なしか、変更しても微調整ですみそうです。

図3 A5サイズの余白設定例

図3 A5サイズの余白設定例

図3 A5サイズの余白設定例

まとめ

Kindle(電子書籍)を販売開始後ほどなくして、時々「書籍はないのか?出版予定は?」とのお問い合わせを頂くようになり、Kindleペーパーバックの情報も増えてきたので、Kindleペーパーバックに取り組み始めました。

ここでは、Kindleペーパーバックの表紙作成、本文の余白設定、3回の校正刷りと出版申請について、以下の項目で説明しました。

  • Kindleペーパーバックの表紙を作る
    • 用紙を決める
  • 本文の余白設定
  • 校正刷りによる確認1回目
    • 校正刷りと著者用コピーの違い
  • 本文の再余白調整と2回目の校正刷り
  • 3回目の校正刷りと販売開始
    • 3回目の校正刷りと出版申請
    • 表紙や背表紙のデザインについて
    • A5サイズの余白設定(最終版)
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